項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | 遺伝性疾患・神経線維腫症2型に対する革新的治療法(新規免疫療法)の開発 | |
研究代表者名 | 戸田正博 | |
研究代表者の所属機関名 | 慶應義塾大学医学部 脳神経外科 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 神経線維腫症2型 | |
研究のフェーズ | 非臨床試験 | |
難病プラットフォームとの連携の有無 | なし | |
研究概要 | 【研究の背景】 神経線維腫症2型(NF2)は、両側前庭神経鞘腫を主徴とする遺伝性疾患で、若年より聴力が障害され、進行が早い(10年生存率67%)。難治性希少疾患で、手術では神経損傷の可能性が高く、放射線治療も長期制御は困難で、悪性転化のリスクもあるため、長期間の効果が期待できる新たな治療法が求められている。 【目的】 NF2の神経鞘腫の血管内皮及び腫瘍細胞において、VEGF Receptor 1 (VEGFR1)及びVEGFR2が高発現していることから、VEGFR1/2ペプチドワクチンを用いた探索的臨床研究を先導し、腫瘍縮小・聴力改善効果が得られている。3年以上の長期間制御症例も見られ、治療効果予測のバイオマーカー候補を明らかにした。そこで、希少疾患のNF2に対して、日本人8割にマッチするHLA-A*2402及び0201拘束性ペプチドを用いた新たな治療薬の開発を行う。 【計画】 本製剤の開発及び臨床応用は、実現性が高いことが特色であり、非臨床試験の反復投与毒性試験を終え、製剤製造を試みた。しかし、HLA-A*0201原薬が溶解性不良であったため、本研究では、早期実用化を目指して、先行してHLA-A*2402の2種ペプチドの混合製剤化を完了させ、治験薬製造、第Ⅱ相医師主導治験体制構築を進める。また、探索的臨床研究における長期免疫誘導期間を解析し、医師主導治験の最善のプロトコールを提案する。一方、HLA-A*0201拘束性の2種ペプチド製剤についても、共同研究を実施しているノーベルファーマの協力を得て、富士薬品と共に解決策を見いだしており、製法検討を行い、治験薬製造準備を進める。 【将来展望】 NF2に対し、分子標的薬(bevacizumab)の有効性が報告されたが、2週間に1度の継続投与が必要であり、長期投与による耐性化や副作用などの問題がある。一方、NF2に対する免疫療法は、本治療法が世界初で、NF2の特性とマッチしており、本製剤により、初めての標準治療を提供できる可能性が高い。さらにVEGF/VEGFRシグナル系が亢進した他の難治性脳腫瘍への適応拡大、海外展開も期待される。 | |
レジストリ情報 | ||
なし | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
なし | ||
担当者連絡先 | ||
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