| 項目 | 内容 | |
|---|---|---|
| 事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
| 研究課題名 | オールジャパン拡張型心筋症ゲノムコホート研究によるゲノム医療の発展 | |
| 研究代表者名 | 野村征太郎 | |
| 研究代表者の所属機関名 | 東京大学医学部附属病院 | |
| 研究対象疾患名(または疾患領域) | 拡張型心筋症 | |
| 研究のフェーズ | エビデンス創出研究 | |
| 難病プラットフォームとの連携の有無 | なし | |
| 研究概要 | 拡張型心筋症(DCM)は遺伝子変異を原因とする難病の心筋疾患である。我々は120例のDCM患者のゲノム解析を実施し、最も頻度の高いTTN遺伝子の短縮型変異は内科的治療に応答して良好な予後を辿る一方、次に頻度の高いLMNA遺伝子変異は内科的治療に応答せず予後が極めて悪いことを明らかにした(Nomura et al. Sci Rep. 2018)。これにより、心筋症診療ガイドライン(2019年3月改訂)の中で、DCM患者の診療においてこの2つの遺伝子変異の有無を特定することが強く推奨されることとなった。そして、心筋症患者の心臓シングルセルRNA-seq解析により、予後不良の心筋症患者に特異的に認められるDNA損傷陽性の不全心筋を同定し(Nomura et al. Nat Commun. 2018)、心筋DNA損傷の程度によって臨床経過・薬物応答性を予測できることがわかった(Nomura et al. JACC Basic Transl Sci. 2019)。さらに近年、心電図・心エコー・心臓MRIなどの画像を人工知能(AI)で解析するとヒトよりも高い精度で診断できるようになってきた。そこで、以下の課題を克服することによって、DCMの精密医療を実現できると考えた。 (1)DCMの臨床経過・薬剤応答性と遺伝子変異の関係性の全貌を明らかにする (2)日常臨床で用いられる各種心臓機能検査と遺伝子変異の関係性を明らかにする (3)心臓組織における一般病理像・分子病理像と遺伝子変異の関係性を明らかにする (4)ゲノム医療において、病原性判定・患者や家族への心理的配慮を確立する (5)上記を考慮したDCM層別化アルゴリズムを構築してガイドラインに反映させる そこで本研究は、オールジャパン体制のDCMゲノムコホート研究を通して、ゲノム情報と他のモダリティによる臨床情報を統合したDCM層別化アルゴリズムを構築し、わが国の革新的なDCM診療を確立することを目指す。この目的を達成するために、我々は共同研究施設と連携して、以下の課題に取り組む。 Step 1. オールジャパン体制のDCMゲノムコホート研究 Step 2. 臨床情報マルチモダリティAIとゲノム情報の統合解析 Step 3. 組織分子病理解析によるDCM層別化の精度向上 Step 4. 病原性判定の一般化と患者・家族の心理的負担の評価 Step 5. ゲノム・臨床情報AI・分子病理を統合した層別化アルゴリズムの構築 これらの研究開発項目を進めることによって、拡張型心筋症の診療において患者層別化に資する重要なエビデンスを得ることができる。その成果は速やかにガイドラインに反映させて、全国のあらゆる施設で実践できる形のスタンダードな診療方針を提唱していく。 | |
| レジストリ情報 | ||
| 難病プラットフォームとの連携の有無 | なし | |
| 対象疾患/指定難病告示番号 | 特発性拡張型心筋症/57 | |
| 目標症例数 | 2000 例 | |
| 登録済み症例数 | 1000 例 | |
| 研究実施期間 | 2021年4月〜2024年3月 | |
| レジストリ名 | GENESIS-J-DCM | |
| レジストリの目的 | 自然歴調査;患者数や患者分布の把握;疫学研究;試料採取;バイオマーカーの探索;遺伝子解析研究;主治医への情報提供 | |
| レジストリ保有者のPMDA面談経験の有無 | なし | |
| 臨床情報の調査項目 |
| |
| 調査項目 | ||
| 第三者機関からの二次利用申請可否 | 可 | |
| レジストリの企業利用について | 企業が利用することについて患者の同意を取得済み | |
| 二次利用申請を受けた場合の対応方法 | 運営委員会で協議後、倫理委員会の承認を得て提供する。 | |
| レジストリURL | ||
| バイオレポジトリ情報 | ||
| 生体試料の種類 | 血漿・血清;DNA;組織 | |
| 収集サンプル数 | 2000 | |
| 生体試料の登録例数 | 1000 | |
| DNA登録例数 | 1000 | |
| 全ゲノム解析済み症例数 | 350 | |
| 全エキソーム解析済み症例数 | 700 | |
| 外部バンクへの寄託 | 該当なし | |
| 外部からの使用申請の受け入れ可否 | 可 | |
| 外部からの使用申請への対応 | 新規研究計画となる場合、該当施設での倫理審査での受理後に検体の使用を許諾する。 | |
| 担当者連絡先 | ||
| 東京大学医学部附属病院 循環器内科、野村征太郎、senomura-cib●umin.ac.jp | ||
※メールアドレスが掲載されている場合は、「●」を「@」に置き換えてください。


