項目 | 内容 | |
---|---|---|
事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | 特発性基底核石灰化症の基盤にあるリン酸ホメオスターシス異常を改善する特殊環状ペプチドダイマーを活用した治療薬の開発 | |
研究代表者名 | 保住功 | |
研究代表者の所属機関名 | 岐阜薬科大学薬物治療学 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 特発性基底核石灰化症 | |
研究のフェーズ | シーズ探索研究 | |
研究概要 | 特発性基底核石灰化症 (Idiopathic basal ganglia calcification (IBGC))は大脳基底核等に石灰化を伴う原因不明の疾患であり、まだ治療薬は見つかっていない。原因遺伝子として、リン酸 (Pi)トランスポーターであるPiT-2をcodeするSLC20A2、血小板由来成長因子PDGFBとその受容体PDGFRB、Pi排出トランスポーターであるXPR-1が報告された。我々は、その基盤には主に脳内の神経細胞におけるPiホメオスターシス破綻、血管内皮細胞におけるPDGF-BB産生低下に起因する血液脳関門の破綻(石灰化)があることを明らかにした。 我々は「疾患特異的iPS 細胞を活用した難病研究」(京都大学iPS 研究所 井上治久班)に参画し、当研究室で遺伝子変異を認めた患者からiPS 細胞を作製した(Stem Cell Res, 2017)。これらを神経細胞、血管内皮細胞等に分化させ、Piトランスポーター能、PDGF-BB産生に関する機能異常の解析を行い、PDGFB特異的特殊環状ペプチドにて、それらの機能改善について検討する。 さらに、原因遺伝子のノックアウトマウスだけでなく、IBGC遺伝子変異を導入したモデルマウスを作製し、上記のiPS 細胞を活用して得られた知見と同じ知見がモデル動物で認められるかについての検討も行う。 我々は5-アミノレブリン酸やPDGF-BBに、細胞内低Pi状態によって引き起こされる神経細胞死に対する保護効果を見出している(Sci. Rep, 2017, 未発表データ)。さらに、Piトランスポーター能の機能改善、PDGF-BBの産生低下を補うべく、東京大学 菅 裕明教授と共同で、Hepatic Growth Factorと同様の手法で (Nat Commun, 2015) 、PDGF受容体を活性化する特殊環状ペプチドダイマーを作製した。これは分子量が小さく、安定で、我々の検討では、50pMレベルで最大活性を有することが判明した。今回の提案では、菅教授が推進する「創薬等先端技術支援基盤プラットフォーム」と緊密に連携し、ヒト及びマウスの特殊環状ペプチドダイマーを活用して難治性の脳内石灰化に対する医薬品を創生する計画である。また、新薬候補物を含め、3つの新規特許取得を目指し、STEP1へと進むために、非臨床有効性POCを取得し、必要な非臨床データパッケージを検討する。 | |
レジストリ情報 | ||
対象疾患/指定難病告示番号 | 指定難病27 | |
目標症例数 | 500 | |
登録済み症例数 | 200 | |
研究実施期間 | 2018年4月~2021年10月 | |
レジストリ名 | ||
レジストリの目的 | 自然歴調査;患者数や患者分布の把握;疫学研究;治験またはその他の介入研究へのリクルート;試料採取;遺伝子解析研究;主治医への情報提供 | |
調査項目 | ||
第三者機関からの二次利用申請可否 | 不可 | |
二次利用申請を受けた場合の対応方法 | ||
レジストリURL | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
生体試料の種類 | 血漿・血清;DNA | |
収集サンプル数 | 血清27例、髄液29検体、DNA105検体 | |
外部バンクへの寄託 | 研究終了後、寄託予定 | |
外部からの使用申請の受け入れ可否 | 不可 | |
外部からの使用申請への対応 | ||
検査受け入れ情報 | ||
1 | 検査内容/対象疾患名(あるいは領域名)/指定難病告示番号 | 特発性基底核石灰化症 |
検査方法 | 遺伝子解析 | |
検査実施場所 | 医療機関内;研究室内 | |
保険収載の有無 | なし | |
検査実施費用の確保方法 | 研究費(AMED) | |
検体検査結果の利用内容 | 診断;遺伝カウンセリング | |
検体検査の品質・精度管理 | 研究として実施 | |
検査または検査結果に関する相談の受け入れ可否 | 研究班で受け入れ可能 | |
相談方法 | hozumi●gifu-pu.ac.jp 剖検については愛知医科大学加齢研か新潟大学脳研究所 | |
2 | 検査内容/対象疾患名(あるいは領域名)/指定難病告示番号 | 特発性基底核石灰化症 |
検査方法 | 病理学的検査 | |
検査実施場所 | 医療機関内 | |
保険収載の有無 | なし | |
検査実施費用の確保方法 | 研究費(AMED) | |
検体検査結果の利用内容 | 診断 | |
検体検査の品質・精度管理 | 研究として実施 | |
検査または検査結果に関する相談の受け入れ可否 | 研究班で受け入れ可能 | |
相談方法 | hozumi●gifu-pu.ac.jp 剖検については愛知医科大学加齢研か新潟大学脳研究所 | |
担当者連絡先 | ||
岐阜薬科大学薬物治療学 保住 功 e-mail: hozumi●gifu-pu.ac.jp |
※メールアドレスが掲載されている場合は、「●」を「@」に置き換えてください。