機械的補助循環に合併する後天性von Willebrand症候群の治療法の開発

項目内容
事業名 難治性疾患実用化研究事業
研究課題名 機械的補助循環に合併する後天性von Willebrand症候群の治療法の開発
研究代表者名 松本 雅則
研究代表者の所属機関名 奈良県立医科大学
研究対象疾患名(または疾患領域) 後天性von Willebrand 症候群
研究のフェーズ シーズ探索研究
研究概要  循環器難病が重症化すると心不全となるが、その治療法として植込型左室補助心臓(LVAD)が日本国内でも実施されている。LVADの合併症として出血があり、その主たる原因が後天性von Willebrand 症候群(AVWS)と考えられている。LVADのポンプによって発生した高ずり応力によりvon Willebrand因子(VWF)がADAMTS13により過剰に切断され、出血傾向を呈する。また、急性心不全で用いられている経皮的心肺補助(PCPS)でもAVWSが発生しており、AVWSは機械的補助循環で高頻度に認められると考えられる。そこでADAMTS13活性を阻害することでAVWSの治療を行うことを計画し、抗体と低分子化合物による製剤開発を計画した(図3)。我々は既にADAMTS13活性を阻害するモノクローナル抗体(A10)を作成している(特許第4533995号)。
 2017年度に経皮的心肺補助(PCPS)の人工肺を除いた部分にヒト血液を還流させ、AVWSをex vivoで再現し、A10を添加することでAVWSが予防できることを確認した。2018年度にはカニクイザルにPCPSを装着し、AVWSが発生すること、A10の終濃度10ug/mLでAVWSの発生が予防できることを確認した。LVADに関しては、2019年度にex vivoの還流実験を行い、AVWSの発生とA10の阻害を確認する。動物実験としてカニクイザルとヤギを用いた検討を2019年度中に行いたいと考えているが、サルにLVADを装着することは困難である可能性がある。ヤギにLVADを装着するモデルはすでに確立しているが、A10はヤギに対する効果が弱いことから、以下のA10抗体の抗原親和性上位の遺伝子クローンの解析によって得られた改変体を用いた検討も考えている。
 A10抗体のヒト型化のために、A10ハイブリドーマから抗体遺伝子の単離アミノ酸配列を決定し、ヒト型化に成功した。さらに、低分子化合物は、東北大学化合物ライブラリー約7000種類の中から2種類のADAMTS13活性阻害物質を同定済みである。
 これらの成果をもとに、現状では有効な治療法がないADAMTS13過剰切断によるAVWSに対する新たな治療法を確立することを目的としている。
レジストリ情報
なし
バイオレポジトリ情報
なし
検査受け入れ情報
なし
担当者連絡先
奈良県立医科大学 輸血部 松本雅則

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