項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | 染色体異常関連難病特異的iPS細胞を用いた病態モデルに対する原因遺伝子・創薬ターゲット探索 | |
研究代表者名 | 林洋平 | |
研究代表者の所属機関名 | 理化学研究所 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 4p欠失症候群 | |
研究のフェーズ | 病態解明研究 | |
研究概要 | 染色体異常は非常に高頻度で見られる遺伝的疾患であるが、根本的な治療法は現在のところ存在せず、原因遺伝子や発症機序が不明な場合も多い。申請者は先行研究で、環状染色体をもつ患者から誘導性多能性幹(iPS)細胞を作製し、その病態モデルを作製し、染色体を修復させる新規治療法のアイディアを得ることに成功した。この知見を生かし、本研究開発課題では、4p欠失症候群(指定難病198)に対して病態モデルを作製し、表現型スクリーニングから原因遺伝子を探索することを目的とする。すでに申請者は患者3人から4p欠失症候群特異的iPS細胞を作製している。本研究計画では、初年度にこれらのiPS細胞株から神経細胞と神経堤細胞をそれぞれ分化誘導し、4p欠失症候群に特有な特徴的顔貌、難治性てんかんといった症状の一部を培養条件化で再現する。神経細胞ではてんかん様活動電位の異常興奮、神経堤細胞では細胞遊走の異常をそれぞれ評価し、多数の健常人由来iPS細胞株と比較検討する。次年度はこれらの検討から開発した病態モデルをハイスループットスクリーニングに対応させる。スクリーニングでは、4p欠失症候群での欠失領域における多数の遺伝子をGain-of-functionアッセイ系で評価するため、ゲノム編集技術を応用した CRISPRa (activation)を利用する。CRISPRaは、ゲノム切断機能を喪失させたCas9タンパク質に強力な転写誘導ドメインを結合させたタンパク質であり、本研究計画では薬剤誘導的にCRISPRaを発現させる細胞株に対して、特定の遺伝子に対するgRNAを導入し、染色体欠失細胞で残ったアリルから特異的に対象遺伝子の発現を誘導する。この方法を用いて、3年目に個々の対象遺伝子を表現型スクリーニングで評価し、原因遺伝子、創薬ターゲット遺伝子を探索する。さらに、スクリーニングで得られた原因候補遺伝子に対して、健常人iPS細胞株におけるCRISPRi (interference)技術を用いたLoss-of-functionアッセイを行い、4p欠失症候群特異的iPS細胞と同様の表現型が得られるかを検討する。本研究計画は、4p欠失症候群を先駆けた対象として、新規技術を応用した独自の原因遺伝子探索法、創薬アッセイを開発し、これまで不明であった染色体異常疾患の原因遺伝子を同定し、創薬ターゲットとして将来的な治療法開発の道を拓く。 | |
レジストリ情報 | ||
なし | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
なし | ||
検査受け入れ情報 | ||
なし | ||
担当者連絡先 | ||
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