項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | 家族性地中海熱(FMF)インフラマソームシグナル伝達異常をゲノム創薬で解決する開発研究 | |
研究代表者名 | 川上純 | |
研究代表者の所属機関名 | 長崎大学 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 家族性地中海熱(FMF) | |
研究のフェーズ | 病態解明研究;シーズ探索研究;ゲノム・オミックス解析研究;バイオマーカー・診断薬の開発研究 | |
研究概要 | 本邦FMFのゲノム異常を次世代シーケンサーで解明し、ゲノム異常と関連するサイトカインプロファイルとシグナル伝達異常を解明し、 同定されたゲノム異常、サイトカインプロファイル、シグナル伝達異常に基づく分子標的創薬を目指すもので、以下の(1)から(4) のプロセスで進行している。 (1) FMFの重症度を規定するゲノム異常の解明 私たちが構築したコンソーシアムで集積したFMF全症例(400症例以上)のゲノムDNA次世代シーケンサー解析によるMEFV遺伝子全塩基配列解析、exome解析(FMF典型例でMEFV exon10変異なし症例を対象)の結果を踏まえながら、症例+両親のトリオ(特に典型例でMEFV exon10変異なし)における詳細解析も計画中である。MEFV遺伝子全塩基配列解析で明らかとなった成果(診断においてはM694Iがfirst、E148Qがsecondの独立した要因)を元に、FMFの重症度を反映するゲノム異常を明らかとする。この情報集積は難病プラットフォームと連携して遂行する。しかしながらMEFV exon10 M694I変異、MEFV exon2 E148Q多型のFMFの重症度・診断における有益性は確実で、この2部位は特定されたゲノム異常部位と判断し、以下の研究計画を展開する。 (2)FMF遺伝子変異産物に関連する発現評価系の確立 今までなし得なかった活性型IL-1βと活性型IL-18測定系の確立を目指すが、後者の抗体系は樹立され、活性型を特異的に検出するELISA系の確立を目指している。それに加え、pyrinインフラマソームの発現と活性化にkinase/phosphataseカスケードが関与することも明らかとなり、これらシグナルカスケード情報も加味する。 (3)ゲノム異常に基づくFMFインフラマソーム再構成システムの構築 コムギ胚芽無細胞タンパク質合成技術を用い、システム構築は完成した。現時点では(1)の成果に応じて合成した、特にMEFV exon10 M694I変異でのインフラマソーム再構成システムである。 (4) 分子標的薬のスクリーニングと探索的薬効効果 東京大学創薬機構から提供された低分子化合物の無細胞スクリーニングを行い、FMFインフラマソームシグナルに影響を及ぼす化合物を選定した。さらなるヒット化合物を得るために、ヒト細胞株を用い、長崎大学海洋微生物ライブラリーと長崎大学薬学部オリジナル化合物ライブラリーを中心にスクリーニング中である。FMFでは現状では動物モデルが存在しないが、ゲノム解析で明らかとなったM694I、E148Q変異を導入した動物モデル(ヒト型ノックインマウス)を樹立し、それを用いて化合物の有用性を明らかとする。 | |
レジストリ情報 | ||
対象疾患/指定難病告示番号 | 家族性地中海熱/266 | |
目標症例数 | 1000 | |
登録済み症例数 | 500 | |
研究実施期間 | 2017年4月~2020年3月 | |
レジストリ名 | 家族性地中海熱バイオバンク | |
レジストリの目的 | 自然歴調査;患者数や患者分布の把握;疫学研究;治験またはその他の介入研究へのリクルート;治験対照群としての活用;試料採取;バイオマーカーの探索;遺伝子解析研究;主治医への情報提供 | |
調査項目 | 試料:血液検体、組織検体、ゲノムDNA | |
第三者機関からの二次利用申請可否 | 可 | |
二次利用申請を受けた場合の対応方法 | 運営委員会で協議後、倫理委員会の承認を得て提供する。 | |
レジストリURL | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
生体試料の種類 | 血漿・血清;DNA;組織;細胞;髄液 | |
収集サンプル数 | 血清:100 サンプル、DNA:500 サンプル | |
外部バンクへの寄託 | ||
外部からの使用申請の受け入れ可否 | ||
外部からの使用申請への対応 | 運営委員会で協議後、倫理委員会の承認を得て提供する。 | |
検査受け入れ情報 | ||
なし | ||
担当者連絡先 | ||
長崎大学 川上 純 atsushik●nagasaki-u.ac.jp |
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