項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | 多系統萎縮症の自然歴と新規バイオマーカー開発に関する研究 | |
研究代表者名 | 矢部一郎 | |
研究代表者の所属機関名 | 国立大学法人北海道大学 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 多系統萎縮症 | |
研究のフェーズ | バイオマーカー・診断薬の開発研究 | |
研究概要 | 背景:我々は先行研究として、北海道における多系統萎縮症(MSA)の疫学的概況について特定疾患臨床調査個人票(個票)を用いて後方視的に横断調査を行った。これをHoRC-MSA (Hokkaido Rare disease Consortium for MSA)のstep 1とし、それを継続発展させてHoRC-MSA step 2を開始した。目的はMSA患者レジストリを構築し前向きコホート研究を行うことにある。北海道大学病院自主臨床研究審査委員会の承認を得て、平成26年11月より患者レジストリ構築を開始した。 調査対象:道内に在住するMSA患者。 方法:患者・家族に郵送質問票等で調査し、返信を基に結果を解析した。 途中経過:平成31年2月末までに累計で232名より研究参加の意向あり、174名より文書で同意を得た(今年度の新規登録は17名)。167名でMSA診断基準への適合などを確認し、89名に対してUnified MSA Rating Scale (UMSARS)等で評価した。収集データはデータセンターにて適正に管理し、随時データベースの更新を行っている。今年度はWeb上でデータ入力を行うElectronic Data Capture(EDC)システムを構築し、その運用を開始した。今後はEDCシステムによってさらに円滑なデータ収集が期待される。データ収集開始から4年以上がたち、経時的な知見が徐々に蓄積されつつある。レジストリ登録時には運動失調症状優位型のMSA-Cがパーキンソン症状優位型のMSA-Pの約2倍いるという日本における既報と同様の状況であったものが、登録後徐々にMSA-Pが増加するといった、これまでに報告されていない情報が確認されている。また経過中に47例の死亡が確認されており、その約3分の2が呼吸器関連死であったことも判明した。 期待される成果:MSAの正確な自然歴情報の集積と解析が期待される。また、臨床症状評価と同時に血液を保存しており、分子マーカー候補として血漿中マイクロRNAに注目し、病態や進行度の相関するマイクロRNAの探索を行っている。これに加えて、3次元加速度計を用いた歩行解析も行い、MSAの定量的評価指標としてのバイオマーカー開発に取り組んでいる。さらに、MSAに特徴的な疫学的情報を得るべく、調査の追加も検討している。 今後の課題:指定難病制度のもとでは発症早期例を登録しづらいことがあり、北海道庁や札幌市保健所、北海道内各医療機関とも連携を強化するよう調整を図っている。 | |
レジストリ情報 | ||
対象疾患/指定難病告示番号 | 多系統萎縮症/17 | |
目標症例数 | 500 | |
登録済み症例数 | 175 | |
研究実施期間 | 2014年11月~2023年3月 | |
レジストリ名 | HoRC-MSA (Hokkaido Rare disease Consortium for MSA) | |
レジストリの目的 | 自然歴調査;疫学研究;治験対照群としての活用;バイオマーカーの探索;登録患者への情報提供 | |
調査項目 | UMSARS、 | |
第三者機関からの二次利用申請可否 | 利用できるよう計画書の改訂中 | |
二次利用申請を受けた場合の対応方法 | ||
レジストリURL | http://neurology.med.hokudai.ac.jp/~neuro-w/horc-msa/ | |
バイオレポジトリ情報 | ||
生体試料の種類 | 血漿・血清;DNA;髄液 | |
収集サンプル数 | 50 | |
外部バンクへの寄託 | ||
外部からの使用申請の受け入れ可否 | 応相談 | |
外部からの使用申請への対応 | ||
検査受け入れ情報 | ||
なし | ||
担当者連絡先 | ||
北海道大学大学院医学研究院神経病態学分野神経内科学教室、矢部一郎、yabe●med.hokudai.ac.jp |
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