項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患政策研究事業 | |
研究課題名 | 中枢性摂食異常症および中枢神経感作病態を呈する疾患群の脳科学的な病態解明と、エビデンスに基づく患者ケア法の開発 | |
研究代表者名 | 関口敦 | |
研究代表者の所属機関名 | 国立精神・神経医療研究センター | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 横断班(中枢性摂食異常症および中枢神経感作病態を呈する疾患) | |
研究のフェーズ | 横断的基盤構築研究 | |
研究概要 | 研究目的: 本研究の目的は、中枢性摂食異常症および中枢神経感作異常をきたす疾患群に対して、脳科学的に治療構造を解明し、エビデンスに基づく患者ケア法を開発することである。 研究方法: 本研究課題では、以下の4つの研究課題を多施設共同研究として実施する。 ①摂食障害の治療プログラムの効果検証研究 神経性過食症を対象に、中枢神経感作病態としての食や体型に対する過剰反応を、定期的な食事習慣の導入により減感作していく治療構造を持つ心理療法である、CBT-E(Enhanced Cognitive Behavioral Therapy)の効果検証のためにランダム化比較試験(RCT)を実施する。 ②心身症(過敏性腸症候群)の治療プログラムの効果検証研究 代表的な心身症である過敏性腸症候群(IBS)を対象に、中枢神経感作病態としての内受容感覚に対する過剰反応を、内受容感覚曝露により減感作していくという治療構造を持つ心理療法である、内受容感覚曝露療法(CBT-IE: Interoceptive Exposure Cognitive Behavioral Therapy)の効果検証のためにRCTを実施する。 ③疾患横断的脳画像レジストリ研究 摂食障害患者と、心身症患者の疾患横断的な脳画像レジストリを構築する。脳MR画像は、3テスラMRI装置が利用できる各施設において、可能な限り撮像シークエンスを統一し、安静時fMRI、拡散テンソル強調画像、T1強調画像による撮像を行なう。同時に質問紙や認知課題での心理評価・症状評価を行なう。特に、中枢神経感作病態の指標として、食・体型等の刺激に対する反応性や内受容感覚尺度を評価し、研究会等を開催し検討する。中枢神経感作病態の指標に特異的な脳構造・脳機能変化を重回帰分析により抽出し、中枢神経感作病態の神経基盤を明らかにする。 ④脳画像データ統合による解析研究 各施設で収集した脳画像データをNCNPに集約し、画像の前処理及び個人内解析を半自動的に実行できる解析パイプラインを構築し、分担施設でも解析を実施するためのデータダウンロードシステムを構築し、解析用PCを導入して横断的な解析研究を行い中枢感作病態の脳内基盤を検証する。研究①②の治療介入が開始された後には、試験群/対照群に対して、介入前/介入終了後(3か月)において、脳画像・認知心理機能評価を行う。縦断データがそろい次第、主要アウトカムの改善と、中枢神経感作病態の指標および関連する脳領域との関連を検証し、臨床症状の改善の背景にある中枢神経感作病態の改善を脳科学的に実証する。 期待される成果: 中枢性摂食異常症および心身症に対して、中枢神経感作病態という観点に着目した治療構造を構築し、エビデンスに基づく患者ケアの向上および医療水準の均てん化が見込まれる。これら治療プログラムの構成要素には、患者の生活環境整備やQOL向上に資する中枢神経感作に基づく病態教育が含まれる。摂食障害に限らず、心療内科で診療する多様な表現系を有する難治性の疾患群(心身症、線維筋痛症、慢性疲労症候群など)を対象に脳画像研究をしている研究者と連携し、脳画像レジストリ及び解析系を構築することで、多様な疾患に対して中枢神経感作の病態理解を適応し、幅広く医療向上に貢献できると考えている。 | |
レジストリ情報 | ||
対象疾患/指定難病告示番号 | 中枢性摂食異常症および中枢神経感作病態を呈する疾患群 | |
目標症例数 | 100 | |
登録済み症例数 | 79 | |
研究実施期間 | 2017年11月~2020年3月 | |
レジストリ名 | ||
レジストリの目的 | バイオマーカーの探索 | |
調査項目 | 脳MRI画像 | |
第三者機関からの二次利用申請可否 | 不可 | |
二次利用申請を受けた場合の対応方法 | ||
レジストリURL | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
なし | ||
検査受け入れ情報 | ||
なし | ||
担当者連絡先 | ||
国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 関口敦 |
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