項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | 自己免疫性GFAPアストロサイトパチーの実態解明と治療法確立を目的としたエビデンス創出研究 | |
研究代表者名 | 木村暁夫 | |
研究代表者の所属機関名 | 国立大学法人東海国立大学機構岐阜大学 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 自己免疫性GFAPアストロサイトパチー | |
研究のフェーズ | エビデンス創出研究 | |
研究概要 | 本研究は、自己免疫性GFAPアストロサイトパチーの本邦における実態解明とエビデンスに基づいた治療法の確立を目指した研究である。自己免疫性GFAPアストロサイトパチーは、近年新たな疾患概念として確立した免疫介在性炎症性中枢神経疾患である。患者の脳脊髄液中においてアストロサイトに発現する中間径フィラメントの1つであるGlial fibrillary acidic protein (GFAP)に対する自己抗体(GFAP抗体)が検出されることにより診断される。米国の疫学研究に基づく、本邦の推定患者数は約750人である。本疾患の病態機序は不明であり、効果的な治療法も確立していない。我々の先行研究では、本疾患は幅広い年齢層で発症し、多くの患者は意識障害、排尿障害、振戦、認知機能障害などを呈し、13%の患者で呼吸障害による人工呼吸器管理を必要とした。また一部の患者では免疫療法が奏功するが、31%の患者は治療後も日常生活に介助を必要とし、59%の患者で認知機能障害や排尿障害などの後遺症を合併するなど生活面への長期にわたる支障をきたした。 本研究では実態解明のために、国内で唯一GFAP抗体の測定が可能な当科で診断した本疾患患者を対象として、臨床個人調査票を用いレトロスペクティブ研究を行う。また患者より得られたデータと試料をもとに疾患レジストリを構築する。さらにプロスペクティブ研究により本疾患の自然歴を調査する。一方、効果的な治療法の確立のために、本研究ではバイオマーカーを同定する。患者の検体を用いて、これまでに患者の脳脊髄液中で上昇することが報告されているサイトカイン(IL6, TNFα, IL27)、ケモカイン(CXCL10, CXCL13)、神経・グリアマーカー(GFAP, neurofilament light chain,S100β)を測定し、臨床データとの関連性を検討する。また、以前より病態に関与することが指摘されている細胞傷害性T細胞、脳脊髄液単核球の遺伝子発現解析を行う。以上の測定結果と臨床データを照合しバイオマーカーを確立する。最終的に、本邦における自己免疫性GFAPアストロサイトパチーの実態が解明され、効果的な治療法も確立する。その後の診療ガイドラインの作成や新たな治療薬の開発などを介し、本疾患患者に対し適切な治療が行われることにより、患者のQOL改善、介護者の負担軽減、医療費削減が期待できる。 | |
レジストリ情報 | ||
なし | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
なし | ||
担当者連絡先 | ||
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